美容業界で使われる「全頭(ぜんとう)」という言葉は、頭部全体、つまり「髪のすべての部分」を意味する専門用語です。特に「全頭ブリーチ」という表現で使われることが多く、これは髪全体を一度に脱色する施術を指します。
部分的なブリーチ(インナーカラーやメッシュ)ではなく、髪の根元から毛先まで、すべての髪を一色に明るく脱色するのが「全頭ブリーチ」です。
美容室のメニュー表にも「全頭カラー」「全頭ブリーチ」と記載されていることがあり、「部分」との違いを理解することで、理想のスタイルを正確にオーダーできるようになります。
全頭ブリーチの基本とメリット
全頭ブリーチは、頭髪全体にブリーチ剤を塗布し、髪のメラニン色素を抜いて明るくする施術です。ブリーチによって、髪は金髪〜白に近い色まで脱色され、その後のカラーリングで多彩な表現が可能になります。
全頭ブリーチのメリット:
- 個性的なヘアカラーが可能になる
ブルーやピンク、グレーといった原色カラーや淡いパステルカラーは、ブリーチなしでは再現が難しいため、全頭ブリーチが必須です。
- 透明感のあるカラーが実現できる
特に人気の「ミルクティー系」「シルバーグレー」などのカラーは、全体を均一に脱色することで透け感や軽さが演出できます。
- カラーの発色が非常に良い
髪のメラニンをしっかり抜くことで、後のヘアカラーが鮮やかに発色します
全頭ブリーチの注意点とリスク
全頭とは、髪全体への影響を意味する以上、髪や頭皮への負担も部分ブリーチより大きくなります。以下の点に注意が必要です。
- 髪へのダメージが強い
ブリーチ剤はアルカリ性が強く、髪内部のたんぱく質を破壊します。全頭ブリーチはこれが髪全体に及ぶため、切れ毛やパサつき、ゴワつきなどが起きやすくなります。 - 頭皮がしみる・炎症を起こす場合も
特に肌が弱い方は、ブリーチ剤が頭皮に触れることで痛みや赤みが出ることもあります。サロンでの施術時には、事前にパッチテストや相談をしておくことが重要です。 - 色落ちが早い
ブリーチ後のカラーは定着しにくく、シャンプーのたびに色が抜けていくという特性があります。カラーシャンプーやトリートメントでのケアが必須です。
全頭と部分の違いとは?使い分けのポイント
美容室でカラーやブリーチをオーダーするとき、「全頭」「部分」という区別は非常に重要です。
どちらが良いかは、求めるスタイルと髪の状態に応じて選びましょう。全頭ブリーチは劇的な変化が可能ですが、髪への負担が大きいため、「一度だけで終わらせない」覚悟が必要です。
全頭ブリーチを活かした人気スタイル
全頭ブリーチ後は、さまざまなカラーリングやアレンジが可能になります。ここでは、全頭ブリーチと相性の良い代表的なスタイルをご紹介します。
- ホワイトブロンド
超高明度のブリーチを数回行い、黄ばみを取って白に近づけたスタイル。ファッション性が非常に高いです。 - ペールピンク・ラベンダー系
淡い色味は全頭ブリーチがなければ再現不可。ふんわりとした印象で女性人気が高いです。 - グレージュ・シルバー
落ち着いた中にも個性があり、男女問わず支持されています。透明感が魅力。 - 原色系ビビッドカラー
ブルー、グリーン、レッドなど、アニメ風のカラーも全頭ブリーチをベースにすれば鮮やかに発色します。
全頭ブリーチのケア方法と持続のコツ
ブリーチをした後の髪は非常にデリケートです。色持ちを良くし、ダメージを最小限に抑えるには、以下のケアが必須です。
- 紫シャンプーの使用
黄ばみを抑える紫系シャンプーを週2〜3回使用することで、ブリーチ後の色味をきれいに保てます。
- 高保湿トリートメント
髪の内側から栄養を補うトリートメントで、キューティクルの補修を行いましょう。
- 熱ダメージを避ける
アイロンやドライヤーの高温使用は避け、中温・短時間でのスタイリングを心がけましょう。
まとめ:全頭とは、スタイルと覚悟をともなう美の選択
全頭とは 髪全体を対象にする美容施術であり、特にブリーチの文脈では大きなインパクトと同時に、強い責任を伴う選択でもあります。ファッション性と個性を表現できる一方で、髪への負担、持続的なケア、退色への対策など、トータルでの管理が求められます。
筆者の視点:すべてを変えるという選択
全頭ブリーチをするということは、「すべてを変える」という決意に近い行為です。今の自分から一歩踏み出し、全体を一新することで得られる新しい自分像。そこには、美しさだけでなく、自己表現や覚悟が表れています。
「全頭」とは部分ではなく“全部”を見ること、全部に手をかけること。それは、美容だけでなく、人生においても大切な視点ではないでしょうか? 私たちが本当の意味で変わりたいとき、部分修正では足りないのです。全頭的に変える——その行動こそが、本質的な変化の第一歩になるのかもしれません。