多くの美容師が口を揃えてすすめる「ひし形シルエット」。 顔型を問わず似合う万能スタイルとされることも多く、実際に雑誌や美容室でも積極的に提案されます。しかし、 面長にひし形は似合わない と感じたことがある方は意外と多いのではないでしょうか?「なぜか老けて見える」「顔が長く見える」「バランスが悪い」といった感覚は、決して勘違いではありません。
この違和感には、顔の縦横比やボリュームの位置といった、面長特有のバランスの問題が関係しています。
面長さんと「ひし形」の相性が難しい理由
一般的に、ひし形シルエットとは「顔の中心にボリュームを持たせ、上下に向かって絞る」構造です。 このバランスは丸顔やベース顔の方にとっては小顔効果が期待できる一方で、面長タイプにとっては“逆効果”になりやすい側面があります。
面長にひし形が似合いづらい3つの理由
- ① トップにボリュームを持たせると縦の長さが強調される
面長さんはすでに縦のラインが強め。そのため、頭頂部に高さを出すとさらに縦に引き伸ばされて見えることがあります。 - ② サイドの膨らみが中央に視線を集め、長さを強調
顔の横幅が狭めの面長タイプにとって、サイドにふくらみを作ると縦横比の差が強調され、アンバランスに見えることも。 - ③ あご下が細くなるとシャープさが強調されすぎる
顎先がスッキリしすぎると、輪郭がとがって見えてしまい、冷たい印象や老けた印象になりがちです。
これらの理由から、面長にひし形は似合わないと感じるのは自然なことなのです。
似合わないと感じる髪型の特徴とは?
面長さんがひし形シルエットの髪型を試したときに、「なんだかしっくりこない」と感じることには、明確な原因があります。以下のような髪型は注意が必要です。
面長にNGな髪型例
- トップに高さがあり、前髪なしのロングヘア
→縦長が強調され、顔がより細長く見えがち。
- あご下でストンと落ちるボブやロングのストレート
→ラインが直線的すぎて、輪郭のシャープさが際立ちます。
- 丸みが少なく、レイヤーのないワンレングス
→顔の立体感が薄れ、のっぺりとした印象に。
面長でもひし形を似合わせる3つの方法
面長にひし形は似合わない = ひし形を諦めるべき ではありません。 むしろ、少しのアレンジでバランスを整えられるのが現代のスタイリングの良さ。
① トップのボリュームは控えめに
ひし形シルエットでも、トップに高さを出しすぎないように工夫すればバランスが取れます。
分け目をぼかす・ボリュームダウンパーマを取り入れるなどの方法で、縦長感を抑えることが可能です。
② 前髪で縦ラインを自然にカバー
前髪は面長さんの強い味方です。
おすすめは以下のようなスタイル:
- シースルーバング(軽めで透け感あり)
- うざバング(長めの前髪で輪郭補正)
- ワイドバング(横幅を強調し、顔を短く見せる)
前髪で額を隠すことで、顔の縦幅が自然に調整され、全体の印象が柔らかくなります。
③ あごラインに丸みとボリュームをプラス
あご周りがスッキリしすぎると面長が悪目立ちします。 パーマやレイヤーを使って、あご下にカールや動きを加えることで、下重心の安定感が生まれます。
面長×ひし形の最適スタイル例
● ショート〜ボブスタイル
- 前髪あり×サイドふんわりボブ
→フェイスラインが柔らかくなり、小顔効果も◎。
- マッシュショート×ラウンドバング
→トップを抑えて横にボリュームを持たせることで、顔の縦長を緩和。
● ミディアム〜ロング
- レイヤーミディアム×内巻きカール
→顔周りにカールを入れることで、柔らかく親しみやすい印象に。
- くびれミディ×薄め前髪
→今流行の「くびれヘア」も、ボリューム位置を調整すれば面長さんにもぴったりです。
自分に似合う髪型は“固定観念”を超えていく
「ひし形が面長に似合わない」と感じる人の多くは、髪型の“定型”に縛られすぎている傾向があります。
美容師が提案する黄金バランスも、あくまで一つの“ガイドライン”。 すべての顔型に100%似合う髪型など存在しないからこそ、「似合わせる」視点が重要です。
まとめ|面長にひし形が似合わないと感じたら
面長にひし形は似合わない と感じるのは、あなたの感覚が正しいからこそです。 しかし、それを「だから私は似合わない」と結論づけるのではなく、似合わせ方に工夫する視点が未来を変えます。
最後にポイントをおさらい
- トップは控えめに、ボリュームはサイド&あご下へ
- 前髪を活用して縦長を緩和
- 顔型に合ったひし形アレンジを選ぶ
正解は一つではありません。あなたの骨格や印象に合ったひし形スタイルを、美容師と一緒に見つけていきましょう。
筆者のことば|「似合わない」は、新しい美しさのはじまり
私たちは「この髪型が似合わない」と感じた瞬間、自分に自信をなくしてしまいがちです。けれどそれは、自分の輪郭や個性を深く理解しようとしている証拠でもあります。
美しさとは、「似合うか、似合わないか」ではなく、“その人らしさ”との調和にあります。 たとえ万人受けしないスタイルでも、自分が心地よく感じる髪型こそが本当の正解です。
「似合わない」から逃げるのではなく、「どう似合わせるか」を考える。 その思考こそが、自分をもっと好きになる第一歩なのではないでしょうか。